内容 | はこだて国際科学祭は、科学を楽しむことを入り口に、科学と社会の関係について考えるきっかけをつくることを目的に、2009年にスタートしました。17回目となる今年の年替わりテーマは『食』。<「おいしい」は、お皿の外からやってくる。>をテーマフレーズとして掲げ、企画展(パネル展示会)、トークイベント、ワークショップ、科学屋台(予約不要の体験ブース)など多彩なプログラムをお届けします。
8月23日(土)~31日(日)を本イベント期間として、7月19日(土)からプレイベントが始まり、9月28日(日)までポストイベントが続きます。
毎年恒例のサイエンス・サポート函館が主催するプログラムに、『サイエンスダイアログ』『企画展』『科学夜話スペシャル』があります。
『企画展』は、私たちサイエンス・サポート函館から社会に向けたメッセージです。毎年、各プログラム主催者の活動やテーマにまつわる様々な話題を取材して物語を紡ぎ、立ち止まって考えてみたくなるようなビジュアルパネルを20枚制作しています。今年は<「おいしい」は、お皿の外からやってくる。>というテーマのもと、18のトピックスをご紹介します。「食」は、生産者・料理人・消費者・地域社会といった「人」と、気候・土壌・海・微生物・生態系といった「自然」の交わるところで生まれます。生産・加工・流通といった食のしくみは安全とおいしさを目指していますが、その複雑さが食卓と生産を遠ざける一面も含んでいます。しかし、たとえ目に見えなくても多くの人の手を経て届くという点において、私たちの「食」はモノというよりコトだといえます。食の魅力と食卓に至るつながりを理解することが、食の営みを支える力になります。食べる人全員がプレイヤー。「おいしい」を未来につなぐのは、「科学的まなざしをもった市民」なのです。
オープニングの対談型講演会『サイエンスダイアログ』は、の池ノ上真一さん(北海商科大学・教授)をゲストに迎えます。かつて海は、人々にとって恵みであると同時に、畏敬の対象でもありました。その感情や知恵、暮らしの記憶、世界観や死生観は、海にまつわる民話として語り継がれてきました。しかし現代、私たちの暮らしと海との距離が広がるにつれ、こうした物語の意味や価値も薄れつつあります。その文化的価値を学術的視点から再発見・再構築することを目的に「海ノ民話学プロジェクト」を立ち上げた池ノ上先生に、現在の取り組み、これから目指すことについてお話を伺います。
クロージングのトークセッション『科学夜話スペシャル』は、今年のテーマ「食」に合わせて、「発酵」に焦点を当てた、大人のサイエンスバーを開催します。発酵食品の代表格「チーズ」、そしてキムチをはじめとする発酵食品が多い「韓国料理」、この二つを五感で味わいながら韓国と日本の食文化を楽しむ、はこだて“国際”科学祭では初の「日韓コラボ」の、20歳以上の大人向け企画です。ゲストは山本博紀さん(北海道乳業株式会社 取締役/チーズ製造技術アドバイザー)と申 東煥さん(株式会社函館研究所 代表/韓国居酒屋 店主)。大人のサイエンスバーということで、発酵飲料の例としてビールとマッコリを飲みながら、お話を伺います。
『サイエンスダイアログ』は、函館市地域交流まちづくりセンターにおいて対面開催し、YouTubeライブにて同時配信いたします。今年の『科学夜話スペシャル』は、飲食を伴いますので、函館市地域交流まちづくりセンターにおいて対面開催のみとなります。
サイエンス・サポート函館が主催する3つのプログラム以外は、すべて出展者が企画・運営するものです。対象は子どもから大人まで、プログラムごとに設定し、20会場で49プログラム開催。エンターテインメント性の高い催しから、科学が関わる社会問題について考える催しまで、幅広い構成となっています。
皆様のご参加をお待ちしております。 |