内容 | 今回の主役は、世界自然遺産・小笠原諸島にすむ絶滅危惧種のアオウミガメ。
プラスチックゴミを海藻と間違って食べてしまう事故が世界的に問題になっていますが、小笠原では今、ネズミ駆除用に散布されている殺鼠剤(さっそざい)のパックも誤食してしまうのではないかと心配されています。
それなら殺鼠剤を禁止すればいいんじゃないかって?
それがそうもいかないみたいなんです。島の外からやってきた外来種のクマネズミが小笠原の固有種や希少種を食べてしまうため、今はどうしても殺鼠剤を使わないといけないのですって。つまり、ウミガメの健康を害さないように分量を調節して、殺鼠剤を散布しなければならないというわけです。
問題は、この殺鼠剤がウミガメの体にどのぐらいの量でどれぐらい悪影響を及ぼすのか、実は全くわかっていないことです。これでは殺鼠剤からウミガメを守る作戦が立てられない!
そこで、細胞博士、毒性評価の博士、AI博士、そしてウミガメレスキューのプロが協力して、殺鼠剤がウミガメの体に与える影響を予測する方法を開発しようと、研究チームを立ち上げました。
キーワードは「非侵襲的(ひしんしゅうてき)」。ウミガメに苦しい思いをさせなくて済むように、自然死した個体の細胞で実験をする、という意味です。
死んだ個体の細胞で実験?!そんなことができるんでしょうか!さて、詳しくお話をきいてみましょう。
|