内容 | 皆さんは、「心」について考えたことはありますか?このテーマに、独自の切り口で挑む研究者がいます。動物行動学者の松島俊也さん(北海道大学 大学院理学研究院 教授)です。松島さんは心について知る手がかりとして、ヒヨコに注目しました。ヒヨコの行動からその心を理解すべく、様々な実験を行っています。ヒヨコに心はあるのでしょうか?
実験により、ヒヨコは一匹の時よりも他のヒヨコが一緒にいる時の方が、餌を得るためにより速く走り回ることが明らかになりました。私たち人間にも、似たような経験があるのではないでしょうか?家で勉強するよりも、図書館やカフェなど、周りに勉強している人がいる方がより集中できる。こんな経験のある人は、ヒヨコに共感できるはずです。ヒヨコも人間も「誰かに負けたくない」という同じ気持ちを持っているように感じられます。
しかし、進化の過程に着目すると、鳥類と哺乳類の共通の祖先が生息していたのは3億年前にも遡り、ヒヨコと人間は系統的には全く異なる生物です。これほど違う生物に共感できるのは何故でしょうか。そもそも、心とは一体何なのでしょうか。また最初の問いに戻ってきます。ヒヨコに心はあるのか。ヒヨコの行動を手掛かりに、一緒に考えてみませんか? |