第2回JASC定例会を開催します。
1.テーマ
広げよう サイエンスコミュニケーション その2
「多様なサイエンスコミュニケーション活動」
2.開催概要
日時:2012年4月15日(日)13:30~16:30
会場:科学技術館 6F 第1会議室
東京都千代田区北の丸公園2番1号
主催:一般社団法人日本サイエンスコミュニケーション協会
対象:サイエンスコミュニケーションに関心のある方ならどなたでも
3.開催趣旨
本協会では、全国の広範な仲間との交流を通じて情報や理念を共有し、協働して課題を解決していくことを積極的に進めるため、定例研究会を開催しています。
第1回~第3回定例研究会のテーマは「広げよう サイエンスコミュニケーション」です。全国で行われている多様なサイエンスコミュニケーションをつなぎ、点を線に、そして面にと広げていくことを目指します。
第2回定例研究会では、次の3テーマについて、サイエンスコミュニケーションの現状と今後の方向性について語り合います。
4.プログラム
開会のあいさつ
高安礼士
<話題提供> 話題1~3 13時10分~(各10分程度)
話題1:「科学絵本・科学読物を使ったサイエンスコミュニケーションの新しい展開―アゴラやTISFでの取り組みについて―」
科学読物研究会 二階堂恵理
科学読物研究会は、子どもたちに良質な科学の本を届けたいと全国から集まった仲間が科学の本の研究、普及をする団体で、40年以上の歴史があります。会員は、300人ほどで、子ども達の傍らにいる大人、父母や祖父母、教員、本を手渡す図書館司書、出版社や編集者、作家など様々です。それぞれの立場で、科学絵本や科学読物にかかわる活動をしています。
本を使う読書や読み聞かせというと、情景や心理描写を読み解くことや、言葉の響きの美しさを楽しむことと思いがちですが、それだけではありません。特に自然科学の分野では、実物を前にして「なぜだろう?」「不思議だな…」あるいは「かっこいい!」「きれい…」と感動し、そこから知識への欲求が湧き上がった時、それに対する応え方のひとつに、科学読物があります。科学の本にも、子どもたちの感性を磨き、豊かな世界を広げる力があります。
科学あそびや実験・工作をする、観察会でフィールドに出る、といった五感を使って体験すること。そこから疑問に思ったことを調べようと本を手に取り知識を得ること。これらの間をキャッチボールのように繰り返すことにより、子どものみならず誰もが自分の経験を深めていくことができるでしょう。何より科学絵本・科学読物には実物とはまた違った美しさや力を持つものが多いのです。
今回はサイエンスアゴラで
6年かけて育んできたことと、東京国際科学フェスティバル(
TISF)で
3年かけて育んできたことをご紹介し、これからどんなアプローチがあるのかを考えていきたいと思います。
話題2:「雑誌『サイエンスウインドウ』が目指すサイエンスコミュニケーション」
独立行政法人・科学技術振興機構(JST)
『Science Window』編集長 佐藤年緒
国民の科学技術離れを背景に、理科を教えることに苦手意識がある小学校の先生に手にしてもらえる科学教育誌として、JSTは『Science Window(サイエンスウインドウ)』を発行していますが、その編集・発行する立場から、誌面づくりの考え方と工夫をお伝えします。こうした科学教育誌が学校だけでなく、広く地域社会に広がるために科学コミュニケーションの視点から課題を挙げます。
この雑誌づくりに求められるのは「なぜ?」「分からない」という気持ちを持つ人の代弁者に編集者がなり得るかどうかです。理科を物理、化学、生物、地学に分化させて教える年齢前の子どもから発せられる「なぜ?どうして?」という疑問を、大人も一緒に解いていこうとする姿勢を大切にしています。科学の専門家ではないことを明確にして、子どもや市民の目線で科学を見つめて伝える仕事は、科学コミュニケーターやライターの力量を発揮する場であり、その際に一定のノウハウがあります。
これまで日常生活から見る科学と技術のほか、さまざまな理科への入り口を示し、驚きや分からないことを知る大切さも心掛けてきました。3・11以降、理科教育の重要性の指摘がされる一方で、科学や理科だけでは完結しない総合的な判断力が、例えば防災教育、リスク教育などで求められており、それをどう伝えるかが課題になってきました。他分野と統合した智や、何を優先するかといった判断力は、教育現場だけでなく市民にとっても科学リテラシーの向上の一環として一層必要になってきています。
科学に携わる人々、科学コミュニケーターが行政の縦割りにとらわれず、また科学の専門性を横断する形で、地域社会のためにどう役割を果たせるのか。その際に、地域に役立つ科学教育誌やメディアをどう育てるのか。この『サイエンスウインドウ』を参考事例に論議していただければと思います。
話題3:「学校教育におけるサイエンスコミュニケーションの展開」
埼玉大学教育学部理科教育講座 准教授 小倉 康
学校で理科を教える教員は,教科書の内容を教えるプロであっても,社会で実際に展開している科学や科学技術については精通していない。残念ながら,日本の生徒たちは,学校で理科を学ぶ意義や有用性,将来の職業との関連などの意識がきわめて低い実態だ。生徒たちに,本物の科学や科学技術の魅力や社会にとっての重要性などを実感させるにはどうすればよいか。科学コミュニケーションは,このギャップを橋渡しして,学校のカリキュラムに足らない側面を補う存在である。博物館や科学館は本来そうした役割を担ってきたはずであるが,生徒の実態からは効果を十分上げてきたとは言い難い。
生徒の科学への意識は,中学校卒業段階で相当低下しており,高校でさらに低下している。中学校段階で意識を高め,高校で低下させないような変革が必要だ。科学コミュニケーションによってこうした変革を促進させたい。中学生に,科学や科学技術の開発やそれに基づいて生産活動をしている社会人に触れさせ,科学が社会で重要な役割を果たしていることを実感させたい。こうした職種は,男女共同で参画できることを理解させたい。高校生に,理系の学習が,多様な魅力的な職業につながっていることを知らせたい。
関心のある生徒には,そうした職場の様子を見学させたい。昨年,企業の協力を得て中学生に実施した取り組みを一部紹介する。今後,中学校や高校のリクエストに日本SC協会がどのように応えられるか,皆さんとともに考えたい。
<グループ討論>:各グループに進行係:14時40分~15時15分
グループ1:世話人( 未定 :二階堂)
グループ2:世話人( 渡 辺:佐藤)
グループ3:世話人( 未定 :小倉)
<全体討論>:15時30分~16時30分(場合により17時まで)
司会:高安
5. 参加費・申し込み等
(1)参加費
・会員は無料
・一般は会場費・資料代として1,000円
協会員でなくても、どなたでも自由に参加できますので、是非、ご参加のほど、よろしくお願いします。
(2)申し込み方法
EメールもしくはWebフォームよりお申し込みください。
受付期間 2012年4月2日(月)12:00~ 2012年4月12日(木) 12:00
参加は先着順です(定員(60名)になり次第、期限間でもお申し込みを締め切りますのでご了承ください)
参加者には別途メールにて連絡差し上げます。
●Eメールでのお申し込み
Eメール(
)宛てに、題名を「第二回JASC定例会申込」として、以下内容を記載してお申し込みください。
題名:第二回JASC定例会申込
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[氏名]
[氏名よみがな]
[会員番号] ※会員の方のみ
[所属先名称]
[e-mailアドレス]
[連絡先電話番号]
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●Webフォームよりお申し込み
本ページ下部にあるWebお申し込みフォームよりお申し込みください。
6. 問合せ先
一般社団法人日本サイエンスコミュニケーション協会 事務局
TEL: 080-8257-7959 FAX: 020-4622-7059
E-Mail: 